こんにちわ!コントロール大好き”カセッピー”です!
前回までは、除去と打ち消しについて話してきました!
前回はこちら↓
今回は予告で書いた通り《時を解す者、テフェリー》の話をしようと思っていたのですが…
なんと8月3日にスタンダードで《時を解す者、テフェリー》が禁止となってしまいました。
今回はコントロールデッキに欠かせなかったPWである《時を解す者、テフェリー》の強さと禁止について、そしてコントロールデッキに合うプレインズウォーカー(PW)はどういったものかということについて話していきたいと思います。
《時を解す者、テフェリー》について
このカードの強さ
まず、このカードの持っている能力は、常在型(場にいる限り影響を与え続ける)能力、忠誠度能力のどれをとっても強力で、採用できるコントロールデッキでは採用しない理由がないと言ってもいいくらいのパワーカードです。
特に「相手のインスタントタイミングでの行動を制限させる」という常在型能力は本当に強く、テフェリーを置かれてしまうとこのカード1枚でインスタントタイミングでの呪文を多用するデッキの動きを一気に弱くしてしまうのです。特に打ち消し呪文は軒並み手札で腐ってしまうことになります。
そうなると相手はテフェリーを処理するためにカードを使ってくれますし、ターンを使ってくれますので、こちらはやりたい動きが取りやすくなります。
これに加えて忠誠度能力では、ソーサリーをインスタントタイミングで唱えられるというプラス能力、邪魔なパーマネントを一旦どかせる上にカードを引けるというマイナス能力を持ちます。
場に残せるカードでありながら、相手の行動制限、自身の行動範囲拡大、除去、さらにはドローができるというのは相手にとってはかなりの脅威となります。
そして最もすごいのが、そのコストの軽さでしょう。
相手にとっての大きな脅威で、こちらが大きく優位に立てる強力なPWがたったの3マナで出せるというのは本当にすごいことです。
こちらが先攻3ターン目にテフェリーを置いたら、あとはテフェリーを守りながら相手の妨害をして、こちらのフィニッシャーを出せばゲームの勝利を目指すだけです。
以上のことから、《時を解す者、テフェリー》はゲームの進行をする上で相手よりかなりの優位(アドバンテージ)を得られる強い(強すぎる?)カードであることがおわかりいただけると思います。
禁止カード
去る2020年8月3日、緊急の禁止改訂が発表されました。
スタンダードでは《荒野の再生》《時を解す者、テフェリー》《成長のらせん》《大釜の使い魔》の4枚が禁止となりましたね。
そもそもこの”禁止”とはなに?と思っている方も多いでしょう。
MTGの対戦環境を健全に保つために行っているバランス調整のひとつとして、特定のカード使用の禁止があります。
例えば、イベント大会などで勝利を目指して参加しようと思ったとき、環境に強いデッキというのが特定の1個となっていたとします。そうした時あなたはそれを使うか、それを倒すためのデッキを握るかという二者択一となります。
この場合、もし好きなデッキがそのどちらでもなかったら勝利する可能性が低いのに大会に出ようとモチベーションが保てるでしょうか?好みのデッキは握っても勝てないというのに、そのフォーマットを続けようと思うのでしょうか?恐らく、多くのプレイヤーがスタンダードを離れていくことになるでしょう。
そうならないために、環境の強いデッキが多様性に富んだものになるよう、有効なプレイの選択肢が多くなるよう、禁止カードで環境のバランス調整をしているというわけです。
そうすることで、強すぎるデッキというのがある程度環境からなくなれば、他のアーキタイプも勝ちあがれるようになりトップランクに様々なデッキが存在するようになります。
MTGアリーナの普及に伴いMTGに触れる人たちが多くなったという嬉しい効果の反面、今までのリアルでの対戦以外にも、気軽で簡単にできるデジタルゲームのプレイ数が増えたことから現在の環境を開拓するスピードが上がって行き、より強いデッキが考案されるようになってきたことも相まって、多くの禁止カードを出すような事態にもなったとボクは思います。
しかし、今後発売するセットでも強力なカードは登場し、時には禁止も出るかもしれませんがデジタル版でのプレイ数が多い、環境の開拓スピードが早い今の状況では仕方がないものだとも同時にボクは思います。
最近MTGを始めて、いきなり禁止を出されてガッカリしている人もいると思いますが、その分、今まで日の目を見なかったカードたちに注目をするチャンスであるとも言えます。
ということで、コントロール目線での自分だけの1枚を探してみることにしましょう。
コントロールデッキのPWを選ぶポイント
現環境のスタンダードには多くのプレインズウォーカーが存在しています。
しかしその中でも、
どのPWをコントロールデッキに入れると強力なのか……?
どういったものを入れたら強く立ち回れるのか……?
ってなりますよね。
まずは、コントロールにおけるポイントをおさらいしましょう。
①相手の攻めに耐えながら土地を伸ばし、少しずつ状況を有利にしていくことを意識してプレイする。
②そのために、相手の行動を妨害する手段をたくさん用意する。
③カードを引いて“カードアドバンテージ”を得ることで、相手より多く行動できるようにする。
④戦況を十分に掌握したら、フィニッシャーを着地させて、相手が体勢を立て直す前にゲームに勝利する!
このポイントに沿ってPWも選んで行くことが、コントロールに合うPWとなります。
それぞれ例となるPWを見ていきましょう。
まずPWは、コントロールで多く採用されるインスタントやソーサリー呪文と違って、忠誠度がある限り場に残り続けることができますので、忠誠度能力でアドバンテージを得られるものなのか、どうかということを基準にして選んでいきましょう。
ではポイントに沿って、例となるPWを解説していきます。
①相手の攻めに耐えながら土地を伸ばし、少しずつ状況を有利にしていくことを意識してプレイする。
相手の攻めに耐えるというのは、クリーチャーが少ないコントロールデッキにおいてはなかなか難しいもので、通常であればインスタントやソーサリーなどで除去をしたり打ち消しをしていくというのが基本的な動きになりますが、ドローをしてもいずれ自分の手札が尽きてしまします。
そうならないためのPWを探していきましょう。
例えば《空の踊り手、ムー・ヤンリン》です。
このPWは初期の忠誠度は「2」とかなり弱いのですが、プラスの忠誠度能力で対戦相手のクリーチャーのパワーを下げて飛行を失わせることができ、3マナというコストの軽さから序盤に出せればプラス能力を使って、長く自分のライフを守ってくれる一枚です。
しかも忠誠度能力のプラスは2個ずつ上がっていくため戦場に残りやすいでしょうし、マイナス能力で4/4飛行持ちというなかなかいいサイズのクリーチャーを作り相手のライフを削りにいくこともでき、相手のクリーチャーのブロック用としても使えます。
そして、一番下のマイナス能力…通常「奥義」と呼ばれている能力では、自分のコントロールしている島カードがタップするだけでカードを一枚引けるという効果を得られます。これはPWが出す「紋章」の効果によるもので、この紋章はパーマネントではないので一度紋章を得てしまえば、そのゲーム中ずっとその恩恵を得ることができます。
相手の攻めに耐えるというのは、自身のライフを守っていくことがまず必要ですので、このPWのように相手のクリーチャーを弱体化させ、ブロッククーチャーを用意できるというのも強いかと思います。
②そのために、相手の行動を妨害する手段をたくさん用意する。
相手の行動を妨害というので、あれば除去ができるということが思い浮かぶと思います。PWでもクリーチャー除去ができるものはたくさんあります。単体除去や全体除去をするものまで様々ですが、派手な動きをするPWは総じてマナコストが重くなるので、3~5マナの中で探すと良いでしょう。
例えば《死者を目覚めさせる者、リリアナ》はどうでしょう?
まず、初期忠誠度は「4」とやや高く、プラス能力で互いに手札を一枚捨てて、相手に手札がなく捨てることができなければライフを3点失わせ、マイナス能力では自分の墓地にあるカードの枚数分だけクリーチャー1体にパワーとタフネスにマイナス修正をかけるというものです。
プラス能力ではお互いに手札を捨てることになるので、自分にとっても厳しいかもしれません。
その分コントロールデッキであるこちらはドロー呪文を使っていけば手札を補充できますし、そもそもコントロールデッキはどんな相手にも対応できるように汎用性を持たせた構成となっていますので、相手によっては効果的に働かない手札のカードも出てきます。そういった不要なカードを捨てれば特に問題はないでしょう。
次にクリーチャー除去をすることができるマイナス能力ですが、これの強いところは「破壊する」ではなく自身の墓地のカードの枚数だけ「-X/-X修正を与える」というマイナス修正である点です。
なぜマイナス修正が強いのかというところですが、”破壊不能”を持ったクリーチャーを除去できるからです。
破壊不能は”破壊する”というワードの効果が適用されず、致死点のダメージを受けても破壊されません。
しかしマイナス修正では、例えば破壊不能を持つ4/4のクリーチャーに-4/-4の修正を与えれば0/0になり、タフネスがゼロになったクリーチャーは墓地に送られますので、除去することができます。
そして、このPWの奥義は、自身のターンの戦闘開始時に墓地から速攻を持った状態でクリーチャーを戦場に戻せるという紋章を得られます。
うっかり除去されてしまった自分のフィニッシャーのクリーチャーを墓地から再び戻せるというのは非常に強い能力ですね。しかも毎ターン使えますので、相手は何度も除去することを迫られます。
総合すると、妨害という点では手札破壊とマイナス修正が主になるPWですが、手札破壊能力が自分にも影響があるので手札の補充をしっかりしていくことでデメリットを多少なりとも解消できます。コントロールデッキはもともとカードを引く動作は多いのでそこは大丈夫でしょう。
③カードを引いて“カードアドバンテージ”を得ることで、相手より多く行動できるようにする。
カードを引くというのはコントロールにおいては、呼吸と同じくらい大切なことです。相手より多くの手札をもって勝負していかなければ、相手の動きの妨害もできないですし、必要なカードを手に入れることも適いません。このポイントにおいては二つPWの例を挙げて行きたいと思います。
まずは《覆いを割く者、ナーセット》。
このPWはプラス能力がなくマイナス能力ひとつだけですが、相手には各ターン2枚目以降のカードが引けないという常在型能力があります。
これは非常に強力で、相手は自身のターンではドローステップで引いた1枚以降のカードが引けなくなるので、手札の枚数差が広がっていくことになり、コントロールデッキとしては手札の枚数が上回っていくことで優位に立てます。
そしてマイナス能力はライブラリーの上から4枚のカードを見て、クリーチャーでも土地でもないカードを1枚選び手札に加えられます。ドローではないですが、クリーチャーが少ないコントロールデッキにおいてはほぼ何でも手に入れられることになりますので外れることはほぼ無いでしょう。
初期忠誠度が「5」で、基本的にはマイナス能力を2回使ったらあとは戦場に残って、常在型能力の効果を与え続けるだけになってしまいますが、相手にとっては目障りな存在となります。
次は《時の支配者、テフェリー》。
このテフェリーは、忠誠度能力をインスタントタイミングで使用できるという常在型能力を持っています。
PWの忠誠度能力は通常は、各ターン1回だけ使用可能でソーサリータイミングでしか起動ができませんが、このテフェリーは起動できるのが各ターンに1回だけというのは変わりませんがインスタントタイミングであればいつでも使えるというので、相手のターンでも1回だけなら使えるというのが今までのPWとの大きな違いですね。
さて忠誠度能力ですが、プラス能力でカード1枚を引き1枚捨てるというものです。手札のカードが増えはしませんがコントロールデッキは多くのカードを引いて有効なカードを手に入れることが大切ですので、カードを引くスピードを上げられるのはコントロール向きの能力と言えます。
次にマイナス能力ですが、ここで「フェイズアウト」というワードが出てきます。
対象となった相手のクリーチャーは追放や破壊と違って戦場から離れるわけではなく、そのクリーチャーに付けられているエンチャントや装備品等もろとも戦場に存在しないという扱いになります。
イメージとしては戦場が濃い霧に覆われてしまって、そのクリーチャーだけが霧に隠れて存在しないように見えているという感じでしょうか。
そして対象となったクリーチャーは次の相手のターンに戻ってきますが、これを「フェイズイン」といい、戻ってくるのは相手の次のアンタップステップの開始時となり、この場合そのクリーチャーはこのターンから攻撃に参加できることになります。
通常、クリーチャーが攻撃できるかどうかは、そのコントローラーの最新のターンの開始時に戦場にいたのであれば攻撃に参加できるということなので、この場合フェイズインしたクリーチャーはプレイヤーのターン開始時であるアンタップステップ開始時には戦場に存在しているという扱いですから、攻撃に参加可能となります。
また、この能力の対象となったクリーチャーが戦場から離れたか、もしくは戦場に戻った時などにに発生する能力(誘発型能力:このクリーチャーが戦場に出たとき○○する。等)は誘発しませんので、能力の処理の際は気をつけましょう。
3つ目の能力は言うまでもなく強力で、自分が追加の2ターンを得られます。つまり相手のターンを2回飛ばして、自分がさらに2回続けてターンを進行して良いということですので、相手の盤面によってはこの能力を使っただけで勝ててしまうほど強力な能力です。しかしながら、「-10」というのはなかなか貯まりづらいので使うのは難しそうですが…。
以上、2つのPWを例に話していきました。
どちらも有効なカードをライブラリーから得ることができ、相手より多く行動をとるという点で優位に立たせてくれます。
特にナーセットの場合は相手にカードを多く引かせない…つまり自分のほうが多くの選択肢を手札にもっているという状況を作りやすいという点から相手よりも多く行動の選択をすることが可能になり、テフェリーは相手のターンにも忠誠度能力が使える上にインスタントタイミングですので相手よりも行動が多くとれるということになりますので、このポイントに合っているPWです。
④戦況を十分に掌握したら、フィニッシャーを着地させて、相手が体勢を立て直す前にゲームに勝利する!
最後にフィニッシャーとなりうるPWです。
戦場に出てしまえば、一方的な試合展開が可能な、ラスボス的なロマン溢れる超大型PWというのはまさにフィニッシャーにふさわしいでしょう。
例としては《精霊龍、ウギン》《戦慄衆の将軍、リリアナ》といったところでしょう。
特に精霊龍、ウギンはどの忠誠度能力も強力です。
プラス能力で、クリーチャー・PW・プレイヤーのいずれかひとつを対象に3点のダメージを当てます。プレイヤーのライフを削るにも十分なダメージを与え続けられ、忠誠度が3以下のPWとタフネス3以下のクリーチャーが戦場に存在することを許しません。
マイナス能力は、減らす忠誠度能力を任意で選んでその数値以下のマナコストを持ち、有色のパーマネントは自身のものも含めてすべて戦場から追放するという全体除去になっています。この場合、土地とアーティファクト、そしてウギン自身は無色のパーマネントなので戦場に残ります。
そして奥義はものすごく派手なもので、7点ライフ回復、7枚ドローし手札からパーマネントカードを7枚まで戦場に出してよいというものです。もはやここまでの能力を使えれば、ゲームに勝利したも同然というほど圧倒的なアドバンテージ差を与えることができますね。
またこのPWの強いところは初期の忠誠度「7」という高さです。全体除去を内蔵しているので一度戦場に出て、盤面のクリーチャーを一掃したあとはプラス能力で相手の小型クリーチャーは除去され続けてしまうので、相手からするとかなり除去しづらく本来プレイヤーに対して使うべきカードとターンをPWに対して使わなくてならないので相当のアドバンテージを失うことになります。
8マナというマナコストは重いですが、コントロールデッキは土地を多く伸ばしていくデッキなので、マナコストは問題なく解決できます。
こういったカードを自分のフィニッシャーに据えることもコントロールの形の一つと言えるでしょう。
まとめ
このように様々なPWがスタンダード環境に存在していますが、コントロールに合うPWも様々です。これらすべてをデッキに入れるのは難しいでしょうから、自身で作ったコントロールデッキにはどのようなPWが合うのかというヒントにしてみてください。
もちろんこれ以外にもコントロール向けのPWはいますが、その際にもコントロールデッキのポイントを参考に選んでみてはいかがでしょうか?
特にコントロールデッキでは継続的に手札が補充できるPWなど相性がよく強力です。僕も今まで使ってきたコントロールデッキのPWは、手札のアドバンテージがあるかどうかということを基準に採用にしていました。
ぜひ色々なカードを試してみてくださいね!
次回はコントロールデッキのサイドボードについて話していきます!