MTG航海日誌

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【所感語り】パイオニアチャレンジャーデッキ2022:オルゾフヒューマンズ【追加カード案】

こんにちは、ぷろすたです!

先週まででパイオニアチャレンジャーデッキの所感を3つ語ってきました!

 

リンクはこちら↓

 

psmtg.hatenablog.com

 

 

 

psmtg.hatenablog.com

 

 

 

psmtg.hatenablog.com

 

 

最終となる今回は白黒人間について語っていきます。
今回のデッキは一言で言うと「一見するといじるところがないくらい完成度高い」です。他のインフルエンサーの方々も同様の感想を発信されていますね。

 

僕も同じ感想ではあるのですが、よくよく観察してみるとそれだけではないように感じたので、順に分解して見ていきましょう。

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デッキリスト

 

《チャレンジャーデッキ2022:オルゾフ人間》

 

*クリーチャー 30

(3)//(1) 巨人落とし 2
(1) 不屈の護衛 4
(1) スレイベンの検査官 4
(1) 血に染まりし勇者 4
(2) スレイベンの守護者、サリア 4
(2) サリアの副官 4
(2) 帆凧の掠め盗り 4
(2) 光輝王の野心家 4

 

*呪文 8

(1) 血の長の渇き 2
(2) 不吉な戦術 2
(2) 兵員の結集 4

 

*土地 22

秘密の中庭 4
コイロスの洞窟 4
神無き祭殿 1
閑静な中庭 4
手付かずの領土 4
変わり谷 2
平地 3

 

*サイド

(3)//(1) 巨人落とし 1
(1) 強迫 3
(1) ポータブル・ホール 3
(2) 日金の歩哨 2
(2) 黄昏の享楽 4
(2) 封じ込める僧侶 2

 

収録内容の所感

 

一言で言うと「完成度高すぎて伸ばすところあるかな?」っていうくらい完成度の高いデッキだと思います。

 

が、実際のところは細かいところに手を加える余地が残されていて、ここがかなりポイント高いです。


やっぱりせっかく買ったならそのままだけよりは色々と差し替えたりして遊んでみたい方も多いと思うのです。

人間の主要なカードや、どの方向性で伸ばすかを考えた時に必要なカードが入っていて、見た目以上に改造の余地が残されたデッキになっています。そちらについても追加カードの項でも書いていきます。

 

どんなデッキ?

 

このデッキはいわゆる「部族デッキ」です。

採用されているクリーチャーはすべて”人間”で統一され、人間をたくさん並べて全体を強化し、ビートダウンで一気に削り切るという構成になっています。

簡単に言えば

 

「並べて、強化して、殴って!勝ち!」

 

って感じ。

人間という部族の特徴は、豊富な能力と全体強化の手軽さです。今回のデッキにおいての強化手段筆頭がこちら。

 

 

 

《サリアの副官》は人間デッキの定番カードの一つで、戦場に出たときに自分以外の人間を強化します。そして後続が出るたびに自身が強化されます。
所謂”ロード”と呼ばれる全体強化の常在能力を持ったクリーチャーとの違いは、出た時しか強化しない代わりにサリアの副官がいなくなっても強化(+1カウンター)が残るところです。

 

 

 

続いてはエンチャントのロードである《兵員の結集》。
こちらも人間たちを強化できるのですが、通常のロード戦略と違ってクリーチャーではないので、相手に除去されにくいという点が優れています。とはいえ殴っていけないという点で1枚だけでは仕事ができないのがデメリットです。しかしこのデッキは半分が1~2マナのクリーチャーで構成されているので、出した人間がことごとくやられて、何もいないところに引いたものがコレ、という以外はあまりしょんぼりしないとは思います。何よりも2マナのロードは貴重なので見た瞬間にその手があったかと思ってしまいましたw

これらの全体強化はどちらも単なるロードクリーチャーを採用するより単体のクリーチャー除去に対して耐性があるという点が特徴になっています。副官はひとたび出れば強化を完了しますし、こちらもクリーチャーではないのでエンチャント破壊でないと対処できません。

 

 

 

そして人間デッキといえばやっぱりこのカード、《スレイベンの守護者、サリア》。
現在のスタンダードセットでも収録されたことによって、スタンダードからパイオニア、モダン、レガシーまで定番の人間となっています。一見するとシンプルですが、使われてわかる強力なカード。
クリーチャーでない呪文が1マナ重くなってしまうので、こちらのクリーチャーが除去されにくくなったり、クリーチャーを介さない動きをがっちりとテンポダウンさせてくれます。それに対してこちらのデッキはほぼクリーチャーと土地ですから、影響を受けにくくなっています。こういった特定の動きを咎めるクリーチャーが入っているのも人間デッキの魅力の一つとなっています。
噛み合いの悪い点としては《兵員の結集》が3マナになってしまうところでしょうか…

 

 

 

さらに時間をかけるととんでもないサイズに成長していく《光輝王の野心家》も。
序盤にテンポよく除去されてしまうと弱いものの、この部分をサリアが補うようになっていることで他のカードを除去している間にぐんぐん成長していきます。自分以外も強化できるので、その時の盤面によって適切なカードを強化できるというのもいいところ。

 

 

 

そしてバリューの高い人間が除去されそうになっても身代わりになってくれる《不屈の護衛》。1マナで素のパワーが2なので普通にクロックとしても優秀です。

 

これらの白い人間をベースに人間デッキは構成されています。

 

白黒ならではの動きも強い

ちなみに、最近パイオニアで結果を残しているのが白単人間です。上記の白い人間たちに、器用に立ち回れる白い人間をさらに追加して、その上に色事故がないのが魅力となっています。こちらについては後述します。

ではこの人間デッキの特徴である黒のカードたちがどうなっているの?というのを見ていきます。

 

 

 

黒の特長といえばハンデスもその一つ。《帆凧の掠め取り》は出た時に相手の手札を見て、クリーチャーでないカードを追放できる人間。相手の除去を奪うとこちらの展開が楽になる他、相手のデッキや動きを予想することも阻害することもできるため、非常に優秀です。飛行を持っているため攻撃が通りやすいのも魅力です。

 

 

 

《血に染まりし勇者》は1マナでパワー2の良好なスタッツを持ちながら、たった2マナで墓地から復帰する能力を持っています。一応ゾンビじゃなくて人間らしい(ほんまか?)
復帰条件であるクリーチャーでの攻撃はクリーチャーが多く採用されたこのデッキではとても容易です。最速で殴り殺すプランとしては申し分ないとはいえ、ひとたび動きが止まってしまうとブロックできないことも相まって活かすのが難しいという側面もあります。

そして黒要素として1番良いのが除去。


イコリアの人間シナジーからの採用で、そういえばあったな…というのが《不吉な戦術》。
どんなクリーチャーも追放できるペナルティとしてライフを失いますが、人間がいれば免除されます。このデッキにおいてはあってないようなペナルティですね。
自軍の強化が追いつかなかったりした時など、自軍を上回るサイズのクリーチャーをたった2マナで葬れる良いカードです。

 

 

 

そして軽量除去の《血の長の渇き》。2マナまでのクリーチャーとPWを1マナで除去できます。
モダンであれば《レンと六番》(とティボルト)が2マナですが、パイオニアには2マナのPWが現状ではいないので基本的には軽量クリーチャーの除去です。
しかしキッカーするとどんなクリーチャーもPWも除去できるようになります。4マナかかってしまうという点を除けばクロックを通すための確定除去なので地味にいい仕事をしそうですが…?ここに関しては後述します。


ちなみに、単色のアグロデッキに2色目を足すことの最大のメリットはサイドボードを広く取れるというところです。

 

このデッキでは《強迫》がサイドに3枚。

 

 

単体除去だけでなく、全体除去を持つデッキに対して撃たせる前にすっぱ抜けるので、並べるデッキの弱点を補う良いサイドボードです。先述の《帆凧の掠め取り》と合わせるとサイド後のハンデスを7枚まで増やせるので、さらに対策を厚く取れます。

とにかく並べて強化して殴り勝つところまでをしっかりと通しきるための黒、という感じの構成ですね。

 

 

土地がとてもいい

 

まずは全チャレンジャー共通のショックランドが一枚。


白黒なので《神なき祭殿》。1500円くらいで買えはしますが、一気に4枚となるとなかなかです。1枚持っておけるだけでもありがたいですね。

 

 


そして何より素晴らしいポイントがファストランドの《秘密の中庭》が4枚。
早いターンで白も黒も出したいアグロデッキであるこのデッキには欠かせない土地です。
去年のチャレンジャーデッキにも4枚入っていましたが、今年も4枚封入。他のファストランドに比べて再録回数がかなり多いので、今回の封入でさらに安くなりそうですね。それでも300円程度の価格は維持されると思いますので、パイオニアにこれから参入する人にはかなり嬉しいのでは。

 

 


そしてこれまた再録回数がとても多いコイロスの洞窟。
最近スタンダードでも再録されたので金額的な価値はあまり…というところではありますが、早期決着を目指すこのデッキではダメージはさほど気にならないでしょう。もしパイオニアで使わないとなってもEDHだったり再来年のローテーションまでスタンダードを作る時にも使えますし、何かの時に役にたつのは間違いないので、持っておいて損はなさそうです。

これらの「アグロが欲しい土地」がショックランド以外惜しみなく入っているのは非常にありがたいですね。
なんでイゼットフェニックスにはファストランド入れてくれなかったの…??(本音)

 


そして今回の目玉でもある、部族デッキの土地といえばこちら。

 


《変わり谷》です。土地としては無色マナしか出ない土地ですが、1マナ払うとターンの終了時まで2/2のクリーチャーになることができ、普通のクリーチャーと同様に攻撃やブロックに参加することができます(速攻は持っていないので召喚酔いはします)。

特筆すべきは「すべてのクリーチャータイプを持つ」というところ。どういうことかというと、クリーチャーになった変わり谷は、ゴブリンでも、ドラゴンでも、マーフォークでも、ゾンビでもあるということです。
…そう、もちろん人間でもあります。

このため、他のクリーチャーと一緒に攻撃に加わる瞬間も、ただの 2/2ではなく人間の2/2として攻撃に加われるので、全体強化の恩恵を受けることができます。そしてターンが終了するとクリーチャーではなくなるので、ソーサリーの除去を非常に受けにくいのがとても強力です。

 

さらに部族デッキの土地と言えばこちら!

 

 


《閑静な中庭》と《手付かずの領土》です。
これらの土地は出すときに部族名を一つ指定すると、その部族のクリーチャーを唱えるためであれば何色でも出すことができます。
このデッキの場合であればもちろん“人間”と指定します。

 

《閑静な中庭》はそれに加えて指定した部族の能力の起動にも使える色マナを出すことができます。このデッキの場合で言えば先述の《血に染まりし勇者》の復帰能力と、サイドボードの《日金の歩哨》の能力はこれで色マナの支払いができます。

 

 

残りのカードもえらい

 

 

メインボードに採用された《スレイベンの検査官》は、出た時に“手がかりトークン”を出す人間です。手がかりトークンは2マナで生贄に捧げると1ドローできるので、動きが止まりかけた時も2マナで手札を補充できます。。
1マナでありながらタフネスが2と少し堅めなのも強い優良クリーチャーです。

 

 


《巨人落とし》も除去呪文を内包した出来事クリーチャーです。出来事とは、カード左下の部分を呪文として使用した後で追放領域に置き、追放領域に置かれたそのカードをクリーチャーとして唱えて出すことができる能力です。もちろん、そのままクリーチャーとして手札から唱えることも可能です。

大きいスタッツを持つクリーチャーを破壊して盤面をこじあけることができる除去呪文なので、基本スタッツが小さいこのデッキではかなり重宝しそうです。
それだけでなく、相手クリーチャーをタップさせる能力をもっているので、普通に1ターン目に出して攻撃に加わらせて使った場合も、後半に大型クリーチャーが出た時にそれをタップさせる能力が活路を開くことにつながります。

これらのクリーチャーで序盤に大量展開したまま最後まで走り切るぞ、という強い意志を感じます。

 

 

他のサイドボードにも優秀なカードがちらほら。

 

 

《ポータブルホール》は白のデッキなら使いたいカードの一つで、2マナ以下のパーマネントであれば壊されるまでなんでも追放できるアーティファクトです。
普通に買うと500円くらいはするカードなので、これが3枚入っているのはかなりありがたいですね。

 


《日金の歩哨》は出た時と攻撃した時に墓地を追放できる能力を持っていて、相手の墓地利用を対策できる高パワーなクリーチャーです。集会能力もデッキにパワー1とパワー2のクリーチャーがたくさん入っているので、自身のパワー3と合わせると簡単に集会の条件を達成できます。達成したらこのカードだけを対処するのが途端に難しくなりそうです。

 

 

 

《封じ込める僧侶》は元々はレガシーで多用されていた強力な人間クリーチャーで、簡単に説明すると相手の“ズル”を強力に咎めるカードです。
例えば墓地から大型クリーチャーを戦場に出す動きだったり、デッキからクリーチャーを直接場に出す動きをすると、そのクリーチャーを追放してしまいます。
任意のタイミングで出すことができる“瞬速”を持っているので、相手がその動きをしようとしたタイミングでスタックして戦場に置くと、そのまま相手の作戦は瓦解すること間違いなし。ちなみに僧侶がいる時にこちらの《血に染まりし勇者》の復帰能力が使えなくなる点に注意(起動はできるが追放される)。

 

 

 

《黄昏の享楽》は自分よりもさらに高速で展開するデッキや、そういったデッキに先攻を取られた場合に対してかなり有効なカードです。
自分が不利な状況になった時に激烈なアドバンテージをもたらしてくれるので、敢えて序盤は相手に好き放題させた後、一気に盤面をひっくり返しにかかることができます。

ということで、デッキ全体を通して序盤で展開→最後まで走り切ったら勝ちという構図を押し付けていくデッキとしてかなり完成度は高いです。

 

 

本当に完全に完成したデッキなのか?

 

ここまでで「いかに完成度が高いか」ということを説明してきました。

 

では、本当にこれは手を加える余地のない完成したデッキなのでしょうか?

 


僕の答えは「ノー」です。

 


予め言っておくと、《強迫》を《思考囲い》にしようとか白単にしようという話ではありません。

 

例えば先ほど解説した土地の部分。


《手付かずの領土》と《閑静な中庭》にご注目ください。
これらの土地から出したいマナの色は何でしょう?


そう、白と黒です。そして、用途はクリーチャーに限られます


クリーチャー以外の呪文、特に《不吉な戦術》と《血の長の渇き》、サイドボードの《強迫》のための黒マナはここからは出ません。

もうお気付きですね?


出すための土地は、このデッキにはたった9枚しか入っていません。

1枚引けば使える、と言えばそうですし、9枚も入ってればまあどっかで引くでしょう、という話でもあるのですが、

 

《血の長の渇き》、キッカーできなくね???

 

と思います。9枚の中から2枚引かないとキッカーできないわけですからね。

で、話を戻すとこのデッキで出したい色は白と黒なわけで。

 

 

ということはこの8枚のスペースを

 

手付かずの領土 4
閑静な中庭 4

 

  ↓↓

 

神なき祭殿 3
陽光破りの小道 4
砕かれた聖域 1

 

であったり、予算に限りがあるなら

 

陽光破りの小道 4
砕かれた聖域 1
乱脈な気孔 1
静寂の神殿 1
沼 1

 

などなど、こんな感じの白黒2色の土地にする方が安定して除去呪文が撃てるようになりますね(9枚→17枚)


もちろんこれらはこのチューンができる予算があればの話ですし、封入できるシングル価格に限界があるチャレンジャーデッキにこれらを望むのは無茶な話です。が、全体的にこういう感じで

 

「よーく見ると改善の余地が残されている」

 

というデッキになっています。ここがかなり個人的にはポイントが高いと思っています。

 

簡単に「これが正解!」という情報が手に入る昨今では時代に合わない話ですが、こういった“改善の余地をみつけてちょっとずつ自分なりの理想に近づけていく”という作業も、一度通ってみてほしい楽しい体験です。

 

ちなみにこのデッキについてTwitterでよく見かける話が

 

「これ買って黒のカード全部売って白単人間にしよう」

 

です。たしかに白単がメタ上で良い位置にいるので「それで正解」なのも頷けます。
が、本当にそれだけしか強化策のないデッキなのか?と言えばそんなことは微塵もなく。

 

さっきの話の後なので、

 

「じゃあ《手付かずの領土》と《閑静な中庭》にメリットはないのかー」

 

と思うかもしれませんが、指定した部族でさえあればどの色でも出せるわけですから、白と黒だけでなく緑も青も赤も出せる土地なのです。人間は部族の中でも稀に見る“どの色にもいる部族”ですから、この土地があれば

 

 


あんなのや

 

 


こんなのや

 

 

 

そんなのを出すのも夢じゃない。


そう、さらに多色化していくことができるのも人間という部族ならではなのです。実際、モダンの人間デッキには全色の優秀な人間をかき集めたごった煮のようなデッキだったりします。その中に使用者の理想がガッツリと詰まっていて、見るのも楽しいです。

 

今後白単のメタ上の立ち位置が悪くなっても、こういった別の形を取ることもできます(し、別の部族デッキを作りたくなっても使えます)。

ですからこの8枚の土地は紛れもなく「良いカード」です。

 

 

とまあ、土地だけ見てもこれだけの「どの方向にでも伸ばせる余地」があるのがこのデッキと人間という部族の懐の深さなのかもしれません。

 

あとはこのリストのままでは初速に特化しすぎているので、後半の息切れとどう向き合うかというのはどういう改造に踏み切るにしろ課題になってくるように見えます。

 

 

強化するなら?

先ほど挙げた通り、どういった味付けにするかというところに余地が残されているので、概ね3種類の強化の方向性が考えられると思っています。

 

①黒を捨てて白単にする

 →完成させると高額、しかし妥協点の置き所で安価に。

 

②白黒のままで伸ばす

 →土地の強化が中心。一部を除き全体的に安価。

 

③多色に挑戦

 →土地を中心に追加するものすべてが高額。しかし独自の路線を探るなど自由度大。

 


どの選択肢も一長一短ですが、ご自身の理想に沿って決めるといいと思います。
一先ず、この構築のままでは後半に息切れしてしまう可能性がかなり高いので、どの方向性で伸ばす場合も後半の息切れを防ぐ手立てをどこかに用意することを優先したいところ。

 

どのデッキの場合もそれぞれのデッキで個性と工夫が見えるなと調べながら感心しています。

というかこのチャレンジャーデッキ一つからこんなにも可能性が広がっていると、まるで宇宙を見ている気分になりますね…人間ってすごい。

 

 

①黒を捨てて白単に

まずは現在のパイオニアメタゲームにしっかりと存在している"白単人間"に改造することを目指すパターン。
こちらは選択肢としては現状で一番競技的なものになります。
参考リストはこちら↓
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/434277/show/

 

輝かしい聖戦士、エーデリン

 

人間デッキの躍進の理由の一つになっているカードがこちら。人間でありながら人間トークンを生成する+人間が並ぶほど強くなるので、もともとのリストの「最速で走り切る」という構成を踏襲する場合も優先して採用したいところです。スタンダードでも活躍しているのでそれなりのお値段。1200円くらい。

 

 

粗暴な聖戦士

 

出たときと昼になった時に相手のクリーチャーを追放できるクリーチャー。裏面は狼男ですが、表面は実は人間。3マナとなると元のデッキに対して少し重いように感じますが、1~2マナで展開してから、殴りに行くときに展開しながら除去、という動きになるのでとても噛み合います。800円くらい。

 

 

有望な信徒

 

スタンの白いアグロでもパイオニアの人間デッキでも引っ張りだこの1枚。他のクリーチャーと一緒に殴りに行くだけでサイズアップできる他、《光輝王の野心家》と《サリアの副官》の強化手段が+1カウンターなので、下半分の置物破壊能力が使用しやすいのが魅力。置物破壊のためにカウンターを取り除いても、自身の能力でパワーアップし直せるので強力な1枚です。最近の人気のおかげで1000円くらい。

 

 

アクロスの英雄、キテオン

 

こちらはギデオンの少年時代を再現したクリーチャー。1マナでパワー2という優秀なウィニークリーチャーでありながら、3マナで破壊耐性が得られる上に、条件を満たすと裏面のギデオンに変身します。
ギデオンになると、出たターンにデコイ能力で相手の邪魔なクリーチャーを攻撃でタップさせる(ブロッカーが1枚減る)→生き残ればクリーチャー化してパワー4で攻撃、という動きができます。殴り合いに強い1枚ですが、伝説なのでどの人間デッキでも1枚採用となっています。800円くらい。

 

 

万神殿の兵士

 

1マナパワー2のウィニーで優秀なクリーチャー。多色に対してプロテクションを持ち、対戦相手が多色の呪文を唱えるとライフゲインできるおまけつき。100円くらい。

 

 

救出専門家

 

自軍の2マナ以下のクリーチャーを墓地から復活させられるクリーチャー。自身のスタッツも3/2絆魂と申し分ないが、その代わりに復活させたクリーチャーは自身が戦場にいる限り戦闘には加われない。
それでも出ただけで効果を発揮するクリーチャーとの相性がよく、《サリアの副官》や《光輝王の野心家》との相性は抜群。《不屈の護衛》を釣りあげて自分自身を守らせる肉の壁とする、という名前からは想像できないこともできる。全体除去を受けた後などのリカバリーや戦線の維持に寄与するカードで、最近の白単躍進の立役者。最近はそれよりも走り切ることに特化した構成が多いため、先に挙げたリストでも2枚採用。500円くらい。

 

 

精霊への挑戦

 

自分の白クリーチャーすべてに選んだ色からのプロテクションを付与する呪文。最後の詰めでブロックされなくなって詰めることができる他、赤の全体火力に対してダメージを軽減したり、除去から守ったりもできます。200円くらい。

 

 

精鋭呪文縛り

 

飛行3/1というスタッツを持ち、相手の手札からカードを追放できる疑似ハンデスクリーチャー。黒を入れずにハンデスするならこのクリーチャー、ということになりますが、ハンデスしたい相手には3マナでは遅い可能性もあるので環境次第。

 

 

婚礼の発表

 

最近サイドボードによく入るカード。最速で殴り切るプランでは入りにくいものの、1枚のこのカードから展開やドローにつながりつつ最終的には全体強化が残るので、継戦能力が欲しい時には心強いカードです。スタンダードでエスパーミッドレンジが強いために需要がかなり高く、3000円と絶賛高騰中。

 

 

アーデンベイル城

 

平地があるとアンタップインできる土地。4マナ+タップで人間トークンが生成できる土地。ゲームが長引いても動きが取れるようになる他、出てくるトークンがただの1/1とはいえ人間なので、強化して使える他にサリアの副官にトークンが載ったりなど、このデッキにおいては噛み合いもあって優秀な1枚です。

 

 

シェフェトの砂丘

 

色マナを出すのに1点ライフを支払う必要があるものの、能力で全体強化を付けられるので、マナが渋滞した時に最後の一押しに変換できます。

 

 

皇国の地、永岩城

 

白マナしか出ない土地でありながら、マナを払って捨てることで条件付きクリーチャー火力となります。
このデッキでは伝説クリーチャー(サリア)が採用されているのでコスト軽減もされやすい上、サリアの能力のコスト増加にも影響されずに使用できるので噛み合いのいい土地になります。
ちなみに伝説の土地なので2枚出すと片方生贄にしなくてはいけないので、1枚、多くて2枚採用が多いです。

 

 

雄々しい古参兵

 

こちらは団結のドミナリアで登場したロード。よくよく見るとこのカードは人間ではないものの、兵士のロードであるため、《スレイベンの守護者、サリア》や《サリアの副官》を強化することが可能です。
こちらを別の強化軸として据えた”白単兵士”というリストが公式の記事で紹介されていたので、こちらも選択肢として覚えておきたい。こちらの場合は特に《変わり谷》が兵士でも人間でもあるためにいい仕事をしやすく、ぜひ《変わり谷》は4枚に増やして臨みたい。
白単兵士のリストはこちら↓
https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0036386/

 

 

②白黒のまま伸ばす

 

白黒では先ほど紹介した白単に採用される強力な白クリーチャーに加え、サイドボードに黒いカードを取ることで本来の白単では不利になってしまうマッチアップを制するためのものを採用できます。
その反面で白単色の場合に強力な土地(アーデンベイル城やシェフェトの砂丘など)を採用できない、もしくは枚数に限りができるので、バランスの良い構築が鍵となりそう。

 

下記のリストでは、《魔王の器》を救出専門家で釣り上げてデーモンを出すギミックが入っていますね。

 

参考リスト↓
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/426353/show/

 

 

(こちらは他の参考デッキを探す際にどうぞ)

 

↓アーキタイプ「人間」から《秘密の中庭》を採用したデッキを抽出したもの
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/result?pageSize=&eventName=&archetypeIds=5003&dateFrom=&dateTo=&capacityFrom=&capacityTo=&card=%E7%A7%98%E5%AF%86%E3%81%AE%E4%B8%AD%E5%BA%AD&player=&eventName=&grades=grades&public_status=private

 

 

陽光昇りの小道

 

 

まずは土地。先述の通りこのままのマナベースでは呪文のための黒マナが不足しているので、両面土地を足すのはマストになると思います。

スローランド(砕かれた聖域)も可能なら1枚用意したいところ。

 

 

ドラニスのクードロ将軍

 

イコリアで登場した人間のロード。3/3のサイズに加えて人間2体を生贄にして大型クリーチャーを除去できます。
人間トークンの生成能力と噛み合う能力なので、先述のエーデリンとのタッグが多いようですね。

 

 

墓地の侵入者

 

表面のみ人間。ミッドレンジデッキでよく使われる優良クリーチャー。
本来の人間デッキの方向性よりもミッドレンジに寄ったカードなので、単体除去の多い除去コントロールなどに対して単体で仕事のできるカードが欲しい際に効果的。
墓地対策もできる優秀なアタッカー。

 

思考囲い

 

言わずと知れた優良ハンデス。
コンボデッキに対して始動を遅らせつつクリーチャーをどんどん展開するプランを取ったり、コントロールデッキなどの全体除去を抜くということも。
ただし、これを撃つということはそれだけ展開と遅れるということなので、使い所に注意したい。

 

屍呆症

 

指定したカードを相手のデッキから全てすっぱ抜くカード。相手が手札に持っていると代わりにゾンビが出てしまう。
黒ダブルシンボルなので少し撃ちにくいため、土地基盤に工夫が必要。

 

精神染み

 

屍呆症同様に指定したカードを全て抜くカード。どうしても黒ダブルシンボルがきつい場合に一考の余地があるかもしれない。横に並べるこのデッキでは招集である程度の軽減が見込める上、召喚酔いしているクリーチャーなどもコストに充てられるのが強み。手札から抜いた場合のペナルティもなし。とはいえ5マナと重め。

 

致命的な一押し

 

言わずと知れたパイオニアの環境を定義していると言っても過言ではない軽量除去。
《血の長の渇き》がキッカーに4マナかかるのに対して、こちらは条件を満たせば4マナのクリーチャーまで除去できるのが強み。こちらはインスタントなので、相手ターンに自分のクリーチャーが除去された場合などに有用。採用に際しては、インスタントである必要があるか(構える必要があるのか)、紛争は達成しやすいか、PWを除去できなくてよいか、などを総合的に判断して選択するのがおススメ。
基本的にはクリーチャーで相手に突っ込んで勝つデッキなのでクリーチャーにだけ対処できればよいのと、相手のインスタントタイミングでの動きに対応できる点でこちらの方が強いと個人的には思います。

 

 

③多色に挑戦

 

先ほど挙げたように《閑静な中庭》と《手つかずの領土》を有効に活用していろんな色の強い人間をたくさん採用しよう、というもの。調べてみたところ、結果を残しているのは主にバントカラー(青白緑)のようです。

 

参考リスト↓
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/429169/show/

 

 

 

基本的には緑の入った部族デッキは《集合した中隊》(通称カンパニー)を4枚採用することでリソース獲得とインスタントタイミングでの展開を得意としています。そのため、このチャレンジャーデッキのような高速で面展開を行って一気に詰めるという動きではなく少し鈍めの立ち上がりからカンパニーで一気に盤面への干渉と展開を行ってから数ターンで勝負を決めるという動きになります。
とはいえこのカンパニーもそれなりに高価なカードなので、なかなか…という方もいらっしゃると思います。しかし緑や青の人間はなかなかに粒ぞろいですから、ぜひカンパニー抜きでも検討してみていただきたいと思います。だってせっかくの部族土地ですからね!

バントカラー以外にもいろんな人間デッキが作れるのが多色人間の魅力です。ぜひ気に入った人間をみつけてデッキにぶちこんでみてください!

 

 

国王ダリアン四十八世

 

 

団結のドミナリアで登場した部族を問わないロード。5マナで自身の強化とトークン生成。トークンは人間ではなく兵士トークンなので少しかみ合わないものの、生け贄に捧げるとすべてのクリーチャートークンを全体除去から守ることができるのが魅力。多色なら1枚採用するとマナが余った状況で動けるいいカードかも?

 

 

反射魔道士

 

 

かつてスタンダードで「不快すぎる」という理由で禁止になった人間。元祖3ハゲ。人間デッキが盤面に触る手段としては貴重な選択肢の一つ。3マナなのでカンパニーから出てくるカードとしても優秀。

 

 

領界渡り

 

 

人間ではないけれど人間になれるクリーチャー。部族選択で人間を指定するとデッキの一番上の人間を無尽蔵に唱えられるようになるので優秀なアドバンテージ源になるクリーチャー。多相を持っているので、常に人間としてもカウントされる点も優秀。

 

 

実験体

 

 

お前人間じゃないだろ、と言われる人間の筆頭といえばこの人(人?)。
自分より大きいサイズの人間が出るとカウンターでサイズアップするだけでなく、乗ったカウンターを2つ外すと再生ができます。
再生とは、最近はあまり聞かなくなりましたが「破壊される時に破壊を”すべてのダメージを取り除いて先頭から除外してタップする”に置き換える」という能力で、要するに破壊される前に予約する形で再生を付与すると破壊されずにタップ状態で戦場に残ります。最近のスタンダードでは常盤木能力から外れてしまったためにあまり聞きませんが、パイオニアではマジックオリジンくらいまでのカードで再生を持っているものがあるので、覚えておきましょう。

 

やっぱりどう見ても領界渡りの方がまだ人間だなぁ…

 

 

群れ率いの人狼

 

 

攻撃時の全員の合計パワーが6を超えると1ドローができる人間(人狼)。さっきから人間味に欠けた人間ばかり出しているけどちゃんと使える強いカード。

実際に対峙するとドロー能力の恐ろしさがよくわかりますが、攻勢をかけながら次の展開のためのカードを用意できるので非常に強力です。

最後の詰めで素のスタッツを強化できる点も評価ポイント。その際は人間ではなくなるのでロードの強化対象にならなくなる点に注意。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

最近のメタゲームに存在する人間デッキに加えて、人間デッキには無限の可能性があることにフォーカスしつつ、様々なプランをお見せしました。

 

実はこれらは人間の中でもごく一部です。バイオニアリーガルの人間は先ほど検索してみたところ総勢1248種類。きっと素敵な一枚があなたに出会うのを待っていますよ!

 

今回で今年のチャレンジャーデッキの紹介は最後となります。よろしければ前回までの3回もご覧いただき、今年のチャレンジャーデッキからパイオニアに参入してみてはいかがでしょうか?

 

パイオニアは初心者の方でも比較的とっつきやすいフォーマットで、スタンダードと違ってローテーションがないのでお仕事でなかなか遊ぶ時間が取れないという方でもマイペースに向き合って楽しめるフォーマットです。一緒にパイオニアの沼に浸かろうぜ!

 

ぜひこれまでの3つの記事も読んで、ご自分に合ったデッキで始めてみてください!

 

 

Amazon.co.jp: MTG マジック:ザ・ギャザリング パイオニア・チャレンジャーデッキ2022日本語版 オルゾフ・ヒューマンズ : おもちゃ

 

 

告知

 

直近になってしまいましたが、来る11/6(日)、名古屋市栄区にあります”TCG/Board Game Cafe&Bar TOM名古屋店”にて交流会イベントを開催させていただきます。

 

普段下北沢で毎月行っているぷろすた会の出張版ということで、ご来場いただいた皆様を

 

全員友達にして帰す

 

という会です。

初めましてと遊ぶ会」をキーワードに、初心者さんも、経験者さんも、みんなでわいわいつながってマジックの輪を広げる交流会です。

 

もちろんパイオニアチャレンジャーデッキも現地で販売されますので、買ってそのまま交流会に参加!というのもできます。ぜひご参加ください!

 

ご予約や詳細はTOM名古屋店さまのTwitterからDMにてお問合せいただくか、店舗へ直接ご連絡くださいませ。

 

たくさんのご参加お待ちしています!!

 

※下北沢でのぷろすた会もよろしくお願いいたします(詳細はTwitterにて私にDMをください)。