MTG航海日誌

航海だったり後悔だったり。MTGを楽しんでいきたい。

【THB】新デッキ作りました(1):赤単【スタンダード】

久々に真面目な(?)記事を書きます!

 

今回は『テーロス還魂記』新しく作ったスタンダードのデッキをご紹介!

いつもは誰も作らないようなデッキを作っている私ですが、今回は割と普通。

 

どこにでもあるデッキじゃん、弱小なお前の話なんてしらねぇよ、と言われそうですが、今回は安く作るなら?という案をご紹介していきます。

 

 

 

作った経緯

 

実はエルドレイン発売直後、師匠(atelier?の店主)とGPに出るかどうかということを密かに企んでいた僕。そしてデッキリストは師匠から回ってきたものを使って望む、というのを約束していて、渡されたリストを作って練習していました。

 

そのデッキこそ「行進赤単」。

 

 

もはや赤単にはおなじみのカードになりましたね。

パワー1以下のクリーチャーが攻撃した先に1点が飛ぶというエンチャントです。

 

「誰かの作ったデッキのコピーは絶対に作らない、使わない。参考にはするが、必ず1から自分で考える」

というのをモットーにしてきたので、最初は気が進みませんでした。ですが、

「今までやったことがないなら、一度やってみると勉強になるはずだから」という師匠の勧めで渋々やってみることに。

それから実際に師匠と同じデッキを作って、師匠のプレイングやサイドボードを(早く自分でプレイしたいというウズウズを抑えながら)見て、実際にプレイしてみて、再び自分の師匠までの差を見せつけられることになりました。

 

僕のデッキの作り方と全然違う…!!

 

言われ尽くされていることでもあり、なかなか僕ができないことが、師匠がいつも言うこの言葉。

「デッキは75枚」

 

僕はいつも60枚のメインボードと、それの弱点を補えるようにすることに注力したサイドボードを作っていました。無理やり相性の差を返せるようなカードを寄せ集めた15枚なので、15枚の内容はいつも7種類〜10種類でした。一つの脅威に対しては同じカード、ではなく、「同じものを対処できる、違う種類のカードを散らして入れ、合計すると3枚」のような作り方をしていたので、どうしても種類が多くなってしまっていました。

例えば、飛行を持ったタフネス5のクリーチャーに対してサイドインするカードとして、「エンチャントか飛行クリーチャーを破壊」と「5点火力」を合計3枚入れる、といった形。

 

しかし、師匠から回ってきたリストのサイドボードは

「3枚、4枚、3枚、3枚、2枚」

なんと5種類の15枚。もちろん師匠だって毎回こういうサイドボードを作るわけではないと思いますが、僕にとっては目から鱗。そして実際に回してみると、確かにこれでちょうどいい、そして無駄がない。思考がシンプルで簡単。とにかく回していてストレスがないデッキになっていました。サイドボードがシンプルに考えられることで、マッチ全体の組み立てを考えることができるようになりました。

 

そんなわけで、このデッキの手応えは相当なものではあったのですが、その時の環境というのは

 

 

まさしく鹿一色。緑が最強。これはどう逆立ちしたって勝てねぇ!ということでGP参加は泡と消えてしまいました。

 

 

とまぁ話が盛大に逸れたわけですが、そんなわけでローテーション以降はずっと赤単を使っています。

 

 

赤単が得たもの

 

鍛冶に鍛えられし者、アナックス

今回の新パックで赤単が得たものはかなり大きいです。その中で最も大きなものが

 

 

そう、『鍛冶に鍛えられしアナックス』。

 

僕は現状の赤単には大きく分けて2つの型があると思っています。

一つは僕の使ってきた「災厄の行進型」で、もう一つは行進を使わない形です。

 

使う形にしろ、使わない形にしろ、トドメを刺すのに大きな役割を果たすカードがこの二つ。

 

 

トーブランとエンバレスの宝剣です。

これらのカードは序盤から攻勢を仕掛けた盤面の火力を大きくジャンプアップさせる力を持っており、序盤から積極的に手数で攻め、最後にこれらを叩きつけることで一気に勝負を決めます。

 

『鍛冶に鍛えられしアナックス』は、『災厄の行進』を使うタイプと使わないタイプのどちらにもマッチするカードとなっています。

その理由が

 

  • 赤単の盤面は基本的にとんでもなく信心が高く、パワーが上がりやすい

   →1マナクリーチャーやトーブラン、エンバレスの宝剣と、赤シンボルが多い

  • トークンでないクリーチャーの死亡でサテュロスが出るので、リソースが尽きにくくなる

   →先手なら3ターン目の全体除去を食らっても攻撃を継続しやすい

  • 出てくるトークンがパワー1

   →『災厄の行進』との相性は抜群だね!

  • パワーが4以上になるとでてくるトークンが2倍

   →行進を使わない型やミッドレンジだと『砕骨の巨人』を始めパワー4は多い。

 

そのため、アンコモンのカードでありながら4枚投入のリストがかなり多いです。

「え、伝説のクリーチャーなんだから4枚は入れすぎっしょ」

と思う人もおられるかもしれませんが、このカードに関してはレジェンドルールは気にする必要が一切ないと思います。

 

というのも、既にアナックスが出ているところにアナックスを出すと、レジェンドルールでどちらかを生贄にすることになりますが、生贄に捧げる際のアナックスのパワーは少なくとも4以上(両方のアナックスの信心が2ずつなので、合計4以上になる)なので、アナックスの死亡時に両方のアナックスの能力が誘発し、サテュロスが4体出ます。

3マナで4点のクロックになるので、かなりのコストパフォーマンスです。知っておきましょう。

 

灰のフェニックス

 

もう一つの新パーツがこちら。

 

 

『灰のフェニックス』です。

こちらは採用しているタイプとしていないタイプがあり、デッキの形によってメインから投入されたり、サイドに投入されたりしているようです。

 

 

同じ3マナのカードとして対抗馬になるものが、先ほどの『鍛冶に鍛えられしアナックス』に加え、以前からよく採用されている『炎の侍祭、チャンドラ』ですので、デッキの何を突き詰めるかによってどれを採用するかが変わってきそうですね。

 

『災厄の行進』タイプの場合は、アナックスの死亡誘発やチャンドラのトークン生成能力の方が噛み合うので、こちらを採用する方が戦略にマッチしそうです。逆にサイドボードで災厄の行進を抜いてしまってこちらの『灰のフェニックス』を投入することで多角的に攻められるようにするというプランも取れたりしそう。

 

行進を採用しないタイプでクリーチャーのビートを中心にするタイプであれば、チャンドラのような呪文の使い回しも有効打にはなりにくいように感じるので、メインから投入して速攻2点クロック、死んでも復活するぞ、という立ち回りが厄介なカードになりそうです。

 

地盤の巨人

 

 

最初に見た時に「強い!!」と思ったカードなのですが、今のところ積極的に採用されているリストはあまり見かけません。

僕なりに考えた理由としては、4ターン目に「デッキの中ではかなり大きいアクション」を取りたい赤単アグロでは出た時には何も起こらない4マナ3/4というスタッツが結構微妙で、出てすぐに除去された時に1枚衝動ドローのモードを選択したとしても、4マナで1:2交換。この事実自体は強そうに見えて、対象に取らない全体除去や能力の対象では誘発しないので『払拭の光』などのカードで除去された時には何も誘発しません。

モダンにあるタイタンサイクルのように出た時+攻撃した時が誘発条件なら、出た時の恩恵がまず強い、そして何度も攻撃するとさらに強い、という感じになるのですが、恩恵を受けられるのは少なくとも攻撃を始める5ターン目以降になります。

 

つまり、対コントロールなどを見越してアドバンテージ獲得のために採用しても、現状の青白コントロールでの基本的な除去である『払拭の光』と『空の粉砕』の対策にならず、『時を解す者、テフェリー』のバウンス能力でも誘発しないので、対策としてもいまひとつ。ということで4枚購入したものの当分はストレージの肥やしになってしまいそうな子に(悲しい

 

現在使っているデッキリスト

 

《赤単行進》

*クリーチャー 21

(2)//(3) 砕骨の巨人 2

(x) 石とぐろの海蛇 2

(1) 焦がし吐き 4

(1) 熱烈な勇者 4

(1) ブリキ通りの身かわし 3

(3) 鍛冶に鍛えられしアナックス 4

(4) 朱地洞の族長、トーブラン 2

 

*呪文 17

(1) ショック 4

(2) 災厄の行進 3

(3) 殺戮の火 2

(3) 舞台照らし 4

(3) 危険因子 1

(6) エンバレスの宝剣 3

 

*土地 22

18

エンバレス城 4

 

*サイド

(1)//(2) エンバレスの盾割り 2

(1) レッドキャップの乱闘 2

(2) 溶岩コイル 3

(3) 炎の一掃 3

(3) 炎の侍祭、チャンドラ 3

(4) 炎の職工、チャンドラ 2

 

 

この記事を書いている時点でのリストがこんな感じです。特に強いわけでもないのですが戦えないわけでもなく、楽しむ分には十分な感じです。

 

で、ゆっくりと書いてる間に世界選手権のリストが発表されて

「え、僕のデッキ全然的外れじゃーん!!!www」

となってしまったので、勝ちにこだわるリストを求めている方はそちらを見てみてください。

 

『災厄の行進』は楽しいカードだと思っていて、やっぱり使いたいと思うカードの一つだったので採用しました。還魂記発売前のリストでは4枚採用していましたが、今回の環境ではどうしてもアナックスにフィーチャーした方が強いという結論になり、3枚に減らしました。行進にフィーチャーする場合は

行進+パワー1クリーチャーたくさん+トーブラン

という形で一気にライフを削るのですが、今回は行進とトーブランに頼らなくてもアナックス+エンバレスの宝剣で狙う方がたくさんのカードを要求することなくダメージを出せるので行進は途中で1枚引けたらいいや、ということで3枚です。

アナックスがいる場面で全体除去を受けてサテュロスがたくさん出た後に、うっかり行進を置いて勝ち、となったこともあったので、常時ダメージ源になるとも限りませんがいい仕事をしてくれます。

何より値段が安いカードなので、安価に構築するならこのカードはいい働きをしてくれそうです。

 

『石とぐろの海蛇』は、主に青白コントロール対策にメインから2枚入れてみました。軽いマナで出しても『夢さらい』をブロックでき、プロテクション(多色)でダメージを軽減してくれるので絆魂で回復ができません。マナフラ受けにもなるので、後半のどうしようもなく土地が伸びたタイミングでも6マナ6/6で出すことができたりします。大きくして出すとアナックスの「パワー4以上」の恩恵も受けられて強いです。

 

 

安価で抑えた赤単を考えてみた

 

まず、現環境を遊んでいる人ならまず『エンバレスの宝剣』を使わないという選択肢を取る時点でどうなの??ということを考えると思いますが

いきなり「4枚で8000円のカードを買え」なんて僕は言いたくありません!!w

 

なのでとりあえず対人戦を遊んでみる、そのためのデッキを作る。という位置づけのデッキを考えていきます。

予算は5000〜10000円程度でしょうかね。

 

まず、現状で高くなりそうなカードをピックアップしていきます。

 

 

これらの3種を使わない方向性で作っていきます。

舞台照らしがアンコモンのくせにめちゃくちゃ高いのですが、このカードをケチってしまうと本当にデッキが回らなくなるので仕方なく使います。

 

ライフをがっつり削るための手段はやはり『災厄の行進』と『朱地洞の族長、トーブラン』です。

 

問題は「どうやってトーブランにつながるまでパワー1を維持し続けるか?」ということになります。なので死亡してもトークンが残るカードや、死亡しても相手のライフを削れるカードを集めていきます。

 

どれもコモンやアンコモンのカードなので、ストレージをあさったりすれば見つかりそう。

そして極め付けはこちら。

 

 

そう、「どうせ死ぬなら投げつければいい」という精神です。

例えば、相手が赤単の天敵である『夢さらい』を出してしまって、このターンで削り切れば勝てそう、というタイミングがあるとします。

本来なら『夢さらい』にブロックされて3点ゲイン、となるところで、『夢さらい』がブロックしたクリーチャーを生贄にして本体に4点飛ばせば、相手の計算は一気に狂ってしまいます。

 

ということでリストを作成。

 

安価赤単

*クリーチャー

(1) 熱烈な勇者 4

(1) 焦がし吐き 4

(1) ブリキ通りの身かわし 4

(1) 不気味な修練者 4

(3) 鍛冶に鍛えられしアナックス 4

(4) 朱地洞の族長、トーブラン 4

 

*呪文

(1) ショック 4

(2) 心火 4

(2) 災厄の行進 4

(3) 舞台照らし 4

 

*土地

16

エンバレス城 4

 

 

仮に『舞台照らし』以外のコモンアンコモンは1枚50円、基本土地は無料として、残りのカードを晴れる屋価格で参照しますと…

7040円!!

もちろんメインボードだけですが、サイドボードを足しても1万円以内では組めそうです。安いお店を足で探せばサイドボードを込みにしても8000円くらいで抑えられるかもしれません。

 

サイドボードの案としては相手のライフゲインを不可能にする『無頼な扇動者、ティボルト』、後続を大量展開することができる『実験の狂乱』、追放したい相手に打てる『溶岩コイル』、サクリファイスデッキのかまどや影槍を破壊できる『エンバレスの盾割り』などが候補になりそうです。自分がよく行くお店の状況などに合わせてチューンしたいですね。

 

 

最後に

 

本当はプロの赤単のリストが出回る前に記事を書きたかったのですが、個人的にはこんな感じで赤単をエンジョイしています。あくまでエンジョイしたい人間の考えるリストなので、強いデッキだとは思わないでくださいw

 

これから本格的に紙のマジックを始める人には、この環境の赤単はチューンの楽しさやいろんなアプローチの方法、プレイングでの逃げ道などを考えさせてくれるので良い教材になると思っています。いろんな赤単を遊んで、自分なりの赤単を作り上げてみてほしいと思います。