MTG航海日誌

航海だったり後悔だったり。MTGを楽しんでいきたい。

【WIZZ88号寄稿】自分なりのデッキの作り方(1)【Web版】

こんにちは!ぷろすたです。

 

今回の記事でついに本サイトの記事も100本目となります!早いやら遅いやら。(遅すぎ)

 

というわけで今回は、MTG専門ミニコミ誌「WIZZ」にお声がけを頂いて連載で寄稿している記事

『自分なりのデッキの作り方』

の第1回をweb版でお届けします。

 

執筆したのが今年の年明け、テーロス還魂記の発売前だったので、例に出しているものが少し古くはなってしまっていますが、僕がデッキを作る際の基本的な考え方は変わりません。

 

続きの第2回は7/20に発売されましたWIZZ89号で読めますので、ぜひ購入してお読みいただければと思います!

 

晴れる屋、Card Shop Serraの通販サイトで購入できます!その他の購入できる店舗はWIZZ公式ホームページか、編集長の公式ツイッターをチェック!

 

では、お楽しみください!

 

 

 

自分でデッキを作る魅力とは?

 

僕は普段、「誰かのデッキリストの完コピを使わない」をモットーとしています。デッキリストを調べて参考にすることはあっても、必ずイチから自分で考えてみて、デッキリストを作り、カードを集めてデッキを作ります。

 

その理由としては、元々僕自身が他の人の驚く顔やその場が盛り上がるような展開を作る方が好きだから、というのがあります。

 

僕は常々「どうしたら自分が楽しいMTGができるのか?」というのを考えます。その結果としていつも僕の行動の中心に据えているものが「楽しんで楽しませる」というものです。

つまり、『自分が楽しいこと』と『相手が楽しいこと』の両方が僕には必要だなと思ったのです。

 

そしてその両方が実現できるツールの一つが「自分がイチから考えた自分なりのデッキ」だと思っています。

 

デッキリストを自分で考えるのは一種の自己表現でもあり、それを使って自分のやりたいプレイングで勝ちを目指す、というのは、自分だけのRPGを遊んでいるようなものです。

 

映画で言えば、主演は自分、相棒の助演は自分のデッキ、それを支える思い入れのカードたち、その日の大会が終わるまで結末のわからない自分だけの映画。そう考えるとワクワクしますね(ロマンチストってよく言われます)

 

そんな話をすると「やってみたいけどできません」という人がいます。

やりたくないわけじゃないなら、僕がやっていることの一つでも書いて背中を押せたらな、ということで数回に分けて書かせていただきます。

 

相棒の形(コンセプト)を決める

 

まずは自分の相棒(デッキ)の骨格となるコンセプトを決めます。

ボ◯ドガールがいいのか、水◯豊がいいのか、というところですね。

 

相棒役は必ずしも「二足歩行する人型生物」である必要はありません。だって自分だけの映画ですもの。誰にも文句言われる筋合はありません。ピカチ◯ウでもいいし、八本足のエイリアンでもいいし、足もなければ口もない生き物だっていいわけです(現実のそれはどのみち紙束の形をしているわけですが)

 

ただ一つだけ、僕の失敗から絶対に守ってほしいことがあるとすると

 

「なるべく骨太な背骨を持つもの」

    と

「小さくても殺傷力を持っているもの」

 

を強くお勧めします。両方を兼ね備えたものが極めて望ましいです。

 

特に骨格のないアメーバ状の生物だけは避けた方がいいです。扁平形だから盾に使うぞ!と思っても次の瞬間には棒状になっていたりします。扱いが難しいのではなく、どちらかというと一切思い通りになりません。

 

殺傷力というのはなんでもいいのですが、とりあえず貧弱でもいいので牙や爪など武器の一つくらいはあったほうがいいです。露店の金魚みたいな、小さくて牙どころか歯もないものを相棒にすると、どれだけパクパクしても相手を倒すことはできません。

 

 

骨太な背骨とは?

 

具体的に書くと「なるべく明確なコンセプトを持たせる」ことが骨太な背骨になります。

 

MTGにおいてデッキの骨格となるコンセプトには、一つの格言のようなものがあります。

 

「同じ役割のカードが8枚あればそれがコンセプトになり得る」

 

というものです。

具体的にわかりやすいものの一つが所謂「部族デッキ」というもので、ロード能力(同族のカードのパワータフネスを強化する能力)を持つものが2種類8枚取れるかどうかというのが一つの基準になったりします。

 

他にも、一つのキーワードを決めることもコンセプトとなります。

エルドレインの王権の発売直後に猛威を振るったスゥルタイフードが記憶に残っている人も多いでしょうから例にしてみます。

 

《王冠泥棒、オーコ》、《金のガチョウ》、《魔女のかまど》、《大釜の使い魔》、《意地悪な狼》という5種、最大20枚ものカードがそれぞれ「食物トークン」という強力なキーワードで互いに結びついていました。その上それらをマナコストの順に展開するだけで強力な戦術となる、デッキの「背骨」そのものでした。

 

その中で最も重要な骨であったオーコを失い、弱体化を余儀なくされましたが、ジャンドサクリファイスという形で、残りの4種に《パンくずの道標》や《フェイに呪われた王、コルヴォルド》などを加えたものが環境に残りました。同じように「食物トークン」を利用したデッキですが、こちらはそれを「生け贄にする」という動作をテーマとしたデッキとなり、内容を少しずつ変えながら環境に残り続けています。

 

こういったものがデッキの強くて太い背骨を形成します。

 

殺傷力とは?

 

具体的には、こちらは「勝ち筋」を指します。

 

極めてわかりやすいもので言えば『あなたはゲームに勝利する』というフレーズがあるものでしょう。

 

他には、特定のコンボでほぼ勝ちが確定するものもわかりやすいです。

 

 

合計4色になるようにパーマネントをコントロールしている状態で《フェイ庄の古老》に《光の篭手》をエンチャントして、篭手の能力でアンタップすると1マナ余るようにすると有色無限マナになるので、《神秘を操る者、ジェイス》を置いてからX=無限で《老いたる者、ガドウィック》や《ハイドロイド混成体》を唱えてデッキを引ききって勝利、なんて夢のようなコンボも現状のスタンダードにはあります。

 

わかりやすく高い殺傷力を持つ即死コンボを例に挙げましたが、極論を言えば1/1のクリーチャー1体でも勝ち筋になります。相手がライフを回復せず、それをブロックできず、除去できず、20回攻撃できれば20点のライフは削れるのですからね。

 

ただ、それだと莫大な時間やターンや労力がかかってしまいます。そこでパワーを2にすると10ターンで決着しますし、3なら7ターン、4なら5ターンで削れます。そのため、なるべく大きな殺傷力を持たせる方が望ましくなります。

 

しかしながら、必ずしも高い殺傷力を持たせなければならない、というわけではないというのは知っておいて損はないと思います。

 

殺傷力が小さい場合には、それなりに工夫が必要になります。その工夫とはどういったものになるのかは次回に併せて解説していきます。

 

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

デッキ作りには欠かせない、コンセプトの設定と勝ち筋の設定を生き物に例えて解説してみた記事でした。コンセプトにあたる背骨を太くすればするほど、デッキの動きは安定しやすくなります。どういった土地の配分をするのか、などは解説記事がたくさんありますので、調べてみることをおすすめします!

 

今回の記事の続きはWIZZ89号で読めますので、ぜひお買い求めください!

 

ではまた!