前回までのあらすじ
いつものように大会に出たら、デッキが個性的ってことでローグデッキの集団に遭遇して仲良くなった僕!
いつしかその人たちのホームが僕のホームになりました。
とてもたくさんの学びがあったので、臆せずいろんなお店に出向くようになりました。
前回はこちら
自分が求めるものに気付いた話
ローグ集団のホームに通い始めて数ヶ月。
その場所は職場から、さらに向こう側に数駅の場所にありました。
Tくんの家は下北沢近辺で、僕は国立市。
なので、Tくんとはあまり頻繁にマジックができなくなっていました。
元々は、お互いの中間になるところにあるお店に一緒に行っていたのですが、嫌なこともあったし、ベテランさんたちの輪には入れてもらえず、あまり居心地のいい場所ではなかったので、そのお店からは自然と足が遠のいていたのです。
その上、僕はいろんな場所に出向くようになりました。
そういえば今までの集まり(TくんやYさんたち)で遊ぶ機会よりも、ローグ集団と遊ぶ機会の方が多くなったし、気付いたら結構入り浸ってる・・・
それに気付いて、少し悲しいような、寂しいような気持ちになりました。
その時の僕のマジックを遊ぶ環境は、少々の犠牲によって成り立っているものでした。
そして、それは自分にとってストレスなのだ、と気づいてしまったのです。
そして次に思ったこと。
僕は本当はどうしたいんだろう?
晴れる屋とかにも行ってみたし、他のいろんな所に行くようにもなったけど、競技寄りのガチガチな環境より、まったり変なデッキが使える、落ち着ける場所があるといいなぁ。
Tくんともマジックしたいけど、そのために元々通っていたところは少し遠くて、何より嫌な思いもしたのであまり行きたくない。
何より
最近の交通費がとんでもない。
元々通っていたところも交通費がなかなかのものだったのですが、週に1回行く程度だったので、そこまでではなかったのです。
しかしローグ集団と遊ぶようになってから、その場所の居心地が良すぎて週に3回とか4回とか行ってたんですよね。その上いろんなところに出向くもんだから、そりゃあ交通費もすごくなります。
なので、僕の求めるものは
「交通費が安く済む」場所で、「嫌なことを言ったりする客がいない」場所で、「まったりとして落ち着ける」場所
だということに気づきました。
そこで白羽の矢がたった場所こそ、一番最初のティーチングキャラバンに行ったお店。
今は亡き
「ブックセンターいとう 立川羽衣店」でした。
ここにTくんを誘って久々に行ってみることにしました。
それからそこが僕の最高の環境であるホームになり、常連はほぼ僕一人という状態から、1年後には20人弱のコミュニティになりました。
繰り返しになりますが、僕はこの時twitterをやっていませんでした。
どうやってそこまで増やしたのか。何故そこを選んだのか。
まずはこのお店がどんなところだったのか説明していきます。
子供の王国だったので、マジック過疎地だった
ブックセンターいとう 立川羽衣店(以下、いとう羽衣店)は、田舎の郊外にあるでっかい古本屋さんのようなお店で、周辺は住宅街、小さな商店街、学校。といった感じ。
僕の家から歩いて行ける場所にありました。
ブックセンターと言いつつ、1階は漫画、2階は専門書など・・・だけでなく。
中古CD、DVD、雑貨、ゲーム、果ては駄菓子にジュースまで!
割と太い、抜け道に使われる道沿いにあり、隣にはファミマ。そして24時まで営業!
というお店でした。
郊外寄りのお店なので、
店の真ん前にでかい駐車場!
小学生っぽい自転車がたくさん停まってる!!
古本コーナーには立ち読みのおじさんや学生!!
店先にはジュースと駄菓子を囲んでる小学生!!
なんというか、地元(広島)に帰ってきたような感覚になる、ノスタルジーのすごいお店でした。
トレカコーナーは2階の奥にあり、対戦スペースはそれなりに広く(確か45席くらい?)、平日夕方や休日に行くといつも小学生や中高生で賑わっていました。
それもそのはず。対戦スペースの利用に一定金額の買い物や使用料を取るお店が大半ですが、無料開放状態。
学生さんにとっては、それはもう、最高の居心地の良さです。
察しのいい方はもうお判りかと思いますが
そんなお店なので、マジックは圧倒的に不人気!!!!
なので、マジックのシングルカードも置いてある(何ならそれなりに品揃えはいい方)のですが、時が止まっている価格のカードがちらほら。
しかも(競合店が4店ひしめく激選区である)立川駅から1駅外れた西国立駅が最寄りな上に最寄り駅からは5分歩くという、マジックプレイヤーの中心である社会人には結構キツいアクセスの悪さ。
そんなわけで、
「アクセスのいい場所である立川駅周辺のお店には行かず」
「いとう羽衣店のフライデーに行く」
という熱心なマジックプレイヤーはほぼいなかったのです。
学生が帰った後の対戦スペースは、他の年齢層高めのカードゲーム(WSとか)の大会がなければほとんど人がいない、という感じでした。
そんなお店が僕の求める条件を満たした理由
では何故、そのお店に行ったのか。
僕はそんなお店の環境を逆の発想で考えたからです。
僕の希望は
⑴「交通費が安く済む」
⑵「嫌なことを言ったりする客がいない」
⑶「まったりとして落ち着ける」
の3点でした。
このお店は、その全てを満たしてくれていました。
⑴歩いて行ける距離で24時までの営業。
他の場所だと、そもそも閉店時間が遅くて22時だったり、帰る時間を考えると23時よりも前には終わらなければいけませんでした。
しかし、歩いて行ける場所なので、その心配がありません。相手さえいれば、たくさん遊ぶことができます。しかも24時まで開いているということは、24時までマジックができるということです。
店の最寄り駅も定期券の範囲内なので、「店の最寄り駅で降りて、遊んで、徒歩で帰る」ということができました。
これで交通費はクリア。
⑵マジック過疎地であること。
そもそも来る人がいないので、嫌なことを言う人は存在のしようがありません。
「嫌なことを言う人がいつも一人だけ大会に来て、他の人は誰もいない」というのも可能性として考えましたが、そもそもそういう人はマジックをやりにきているはずなので、たくさんのショップがある立川に行くはず。
念のため実際に行ってみて確かめたところ、そういう人の存在は確認できず。
これで対人問題もクリア。
⑶対戦スペースが夜は空いていること。
対戦スペースが無料開放なので、フラっときて遊ぶことができても、そういうお店に限って人がわんさかいて入れない・・・そんなことが多々あると思います。
しかし、このお店ではメインターゲットの学生が帰った後は、広いスペースがガラガラになります。テーブルにドカッと荷物を置いてもまあ余裕。
それはもうまったりとデッキをいじったりできました。
Tくんと閉店時間まで無限にフリープレイすることもできます。
これで環境問題もクリア。
ということで、完全に僕の求める環境がそこにあったのでした。
僕が求めていた環境は(立地以外は)、皮肉にもそこに既存のコミュニティが存在しない故に手に入るもので、コミュニティを作れば解決するというものなのでした。
嫌なことを言う人がいないことも、まったりと変なデッキでプレイできる環境も、自分でコミュニティを作ってしまえばある程度コントロールできるのですから。
しかしそのためには最大の問題、過疎状態をクリアしなければなりませんでした。
なので、そんな最高な環境を盤石なものにするべく、僕は本気で
このお店のマジックを盛り上げるぞ!!!!!
と思ったのです。
過疎状態には勝算があった
どれだけ良い環境だとしても、対戦相手がいなければ意味がありません。
が。
僕には幸いなことにTくんがいました。
これでまずは一人。相手がいつだって全くいないということは避けられます。
そして、店員さんに話を聞くと、
「前はこの辺りの地域に住んでいる人がちょくちょく来ていて、今でもその中の何人かは買い物に来るので、大会に来てくれるならその人たちに声をかけますよ!」
とのこと。
それはつまり、他のお店では営業時間や交通手段などでマッチしない人がフラっと買いに来るという地盤が既にできているということなので、新規の囲い込みや近隣に住んでいる元常連の復帰は少なからず期待できるし、その人たちを取り込んでいけば対戦相手に事欠くことはない、ということが期待できました。
あとはなるべく毎回僕が出向くことで、「大会の参加者が来ているんだ」、ということを立ち寄った人に知ってもらえれば、じゃあ今度参加してみようかな、と思ってくれるかもしれません。
しかも、そこで戦っているのは僕とTくんというルーキー二人なのですから、同じように始めたばかりの人でも参加してみようかな、という感じになりやすいはずです。
それに加えて、他の場所に出向いた際に、いとう羽衣店にマッチしそうな人を見つけたら積極的にPRしていくということを続ければもっと賑わうかもしれない、と思ったのです。
結果的には僕の思惑通りになり、まずは店員さんが声をかけてくれた元常連が一人二人と来てくれるようになりました。
最初はTくんにわざわざ遠路はるばる来てもらっていたのですが、1ヶ月くらい経つ頃には、Tくんが来ない日でも3人や4人でスタンダードができるようになっていました。
この時期に僕が行ったことがあるのですが、それはまた次回。
まとめとエール
今回は、0人を1人〜4人に増やしたところを書きました。
今回の記事を書いていると、僕がどれだけ打算的だったのかを振り返ることになってしまったのですが、それほどに僕は疲れていました。
割と飽きっぽいところもあるので、同じ環境をずっと維持していたら、マジックをやめていたことでしょう。
「自分のためにそんなアコギなことを考えて、ぷろすたって悪いやつだな!!」
と思っている人もいるかもしれませんが、この打算が結果的に今の僕のマジックへのモチベーションにつながっていることと、今では大切な仲間たちがたくさんいることと、いとう羽衣店のマジックコミュニティが大きく繁栄したのは確かです。
結果的にいとう羽衣店は惜しまれつつ閉店となりましたが、お店の人にも感謝されました。
あなたがもし、今の環境で我慢していることがあるのなら、より良い環境が手に入るように手を伸ばしてみるべきだと僕は思います。
同じものを求めている人がいそうなのであれば、なおのことだと思います。僕には結果的にたくさんの友達やマジック仲間ができ、感謝されました。
そして、この時の僕と同じように、今から自分のコミュニティを作ろうと思っている人は、それは本当に素晴らしいことなので、ぜひかけがえのない仲間を作ってください!
次回は、人数がどんどん増えていった過程を書いていこうと思います。