前回のあらすじ
紙のマジックを始めたお店、いとう羽衣店に帰ってきたぞ!
僕にとっては最高の環境だとわかったので、このお店のマジックコミュニティを絶対盛り上げるぞー!
前回はこちら
今回で、このシリーズは完結となります。
紆余曲折して、初心者の頃の挫折もたくさんありましたが、今楽しくマジックができているのは、ひとえに仲間たちのおかげです。
そんな仲間がどうしてできていったのかを、今回は書こうと思います。
だんだんと人が増えてきた
少し通い続けた頃には、大会には必ず3〜4人の参加者が集まるようになっていました。
これは大きな進歩でした。だって僕がいなければ0人、なんてことが多かったのですから。
固定のメンバーが出来上がった頃に、僕はそれまでのサバゲチーム運営、ローグ集団のお店で学んだことを生かしていろいろな作戦を展開しました。
ちなみにtwitterのプロフィールにちょこっと書いてある(今は書いてません)のですが、僕はマジックを始める前は、サバイバルゲームのチームを友達と作っていて、その副隊長をやっていました。僕は今ではほとんど参加していないのですが、相変わらず各地で戦っているそうです。
そんな僕がやったことを書いていきます。
人集めを専門にやっている人からしたら大間違いもたくさんあるかもしれませんが、ご容赦くださいw
僕がやったこと
①なるべく大会に参加した
とてもシンプルなことですが、まずはこれ。
大会参加者がいないところの大会に足繁く通う人なんていないですよね?
大会をやっているということと、参加者がちゃんといるんだぞ、ということを知ってもらうために、僕は参加者がいようがいまいがお店に足を運びました。
そして、参加者が少し増えてきてからは、これはもう少し違う意味合いを持ちます。
なるべく「会って」、「顔を見せる」こと。
あなたが居心地がいいな、と思う居場所にはだいたい、店員さんの顔だったり、友達の顔だったりが思い浮かぶこと、ないですか?
その人それぞれなりに「その場所の顔」というのがあると思うんですよね。
あそこに行けばあの人がいるな、というのがあると、「お店」というそれだけの無機質な印象にその人の顔がつく、というイメージ。
例えば晴れる屋だったらトモハッピー大先生の顔が浮かびますよね。
同じ要領で、そのお店の色が見えると、親近感も湧きやすくなります。
そのために、その場所の顔(この場合はそこにコミュニティがなかったので僕の顔)を覚えてもらう必要がありました。
僕のことを一目見て「嫌いだ!!」と思う人は来なくなりますが、面白かったからまた来よう!とか、変な初心者だけど面倒見てやるかな!と思ってくれる人はまた来てくれる可能性が上がりますよね。
お互いに顔を見ることで、「気に留めてもらいやすくなる」と思います。
そのために、大会のある日で行ける日は必ず出向くようにしました。
②とにかく話してめっちゃ笑う
これまた当たり前のことではあるんですが、まずはお互い楽しんで帰るためには、たくさんコミュニケーションを取ることだと思っています。
楽しかった記憶はその場所と一緒に思い出になると思うんですよね。
仮にちょっとくらい嫌な思いをさせてしまったとしても、ちゃんと謝罪して楽しくしようと心がけ、たくさん会話できれば、だいたいのことは取り返せると思います。
話すきっかけになりやすいのは「相手と共通のものを探ること」だと思っています。
例えば、コントロールデッキが嫌いな相手にコントロールデッキで勝負して、コントロールデッキの話題ばっかり振ると相手にとっては退屈です。
マジックっていう共通言語があったとしても、マジックに傾けている熱量だったり、好みだったり、そういった点で案外必ずしも話題が共通するとは限らないんですよね。
幸い、いとう羽衣店は駅から少し歩く場所だったので、根本的に話題合わなさそうだなと思ったらとりあえず「駅から歩きました?遠いですよねww」とか「今日めっちゃ寒いですよねー」とか「雨降ってますけどカード大丈夫でした?」なんて話題からスタートすれば場が持たないなんてことはありませんでした。
そういう部分でより覚えられる顔になれれば、人は増えるのではないかなと考えて、この部分は大事にしました。
③LINEグループを作った
人数が4人くらいになった頃に、その時の常連でLINEグループを作りました。
これには大きな意味があって、
「いつでもみんなで会話ができる」
ということは、
お店に対しての心理的な距離が近くなると思うのです。
さらに、お互いに距離が近くなると、それぞれがどんな人物なのかというのも見えやすくなります。そこからさらに親近感も湧きやすくなり、いつも行きたい場所になり、さらに距離が近づく、という好循環が生まれます。
わかりやすくて悪い言い方をすると、「囲い込み」です(←
ただ、一つだけ。僕がとても気をつけた点があります。
誰でも安易に招待するのではなく、その人が何度か足を運んでくれて、「このコミュニティに定着しそうだな」と感じられた時にだけ招待するようにしました。
この部分には大きな理由があって、サバゲチームの頃の僕が、チームの規模を大きくしたいがために仲良くなった人に片っ端から声をかけてLINEグループに入れていたため、その人それぞれがどういった人なのかが、全く把握仕切れなくなったからです。
これの何が悪かったのかと言うと、参加しているけど発言もしなければ集まりにも来ない、参加者として数にしか反映されていないという人の割合があまりにも多くなってしまったのです。
LINEグループを作ると、必ず一定数でこういうメンバーが発生するのは致し方ないのですが、そういう風になってしまった人たちにとって、そのグループの存在はたいていの場合ただのプレッシャーにしかなりません。
結果的に、人知れず退会、という末路になるパターンがとても多く、そういった人は個別に呼びかけたとしても再びイベントに参加してくれることはほぼありません。だってその集まりが自分にとって楽しくないものだ、と思ってしまっているからです。
今回の場合は、「いとう羽衣店に人がたくさん集まること」が最終目標なので、グループの参加者を増やすということにはこれっぽっちも意味がありません。
グループの参加者が100人いても、グループの会話に参加する人が20人、お店に定期的に来る人が10人、なんて状態では意味がないのです。なので、こういったメンバーの割合を極力減らすことを目標にしました。
そのために、他のメンバーとも円滑に交流できそうな人で、コミュニティに定着しそうな人が4回くらい遊びに来た時にグループの話をして、招待するようにしました。
④知らない人に優しくする
これまたここだけ見ると当たり前のことを書いているように感じるかもしれませんが、意外とできないことだと思います。
コミュニティが出来上がってくると、自然とその場所にいる人間は知っている人だけという形になります。そうすると、知らない人が来た時、その人と積極的にコミュニケーションを取ろうとする人は少ないです。
その理由は簡単で、その方が気を使わなくて済むからです。
普通の人はそれが当たり前です。でも、ふらっと現れたその人がコミュニティに定着してくれなければ活気は増えませんから、僕は全く知らない人がいた時、あえてその人にコミュニケーションを積極的に取りに行くようにしています。
突然話しかけられてびっくりする人も多かったと思いますが、そうして話しかけたうちの半分以上が、コミュニティに定着してくれました。感覚の話ではありますが、それができなかった時は定着してくれるのが5人に1人までは落ち込むと思います。
何よりも突然現れた知らない人の大半は、始めたばかりであったり、久々にお店に来てみたという復帰勢ということがあります。
そういった人は仲間が全くいない状態でお店に行ってみよう、と勇気を振り絞って来てくれた人たちがほとんどです。
だったら、よく来たね!!という気持ちで迎えてあげるべきだと思います。おもてなしの心ですね。
そのための一歩は、静かに見守ることではなく、やはり声をかけることだと僕は思います。まずは相手とコミュニケーションを取って、相手が自分のことを話してくれたら、それに共感してあげるだけでもホッとした気持ちになってもらえるものなのではないでしょうか。
それを1年続けたら20人くらいになった
そうして1年が過ぎる頃には、20人ほどのグループが出来上がっていました。
当時すごかったのはそのうちのほとんどがいとう羽衣店にいけばほぼ毎回いる、というメンバーだったのです。大会は常時8人とか10人。多い日は12人、大きめの大会の日は参加者18人とかいう具合。
1年前の閑散とした状況は、もうそこにはありませんでした。
僕と同じような環境を求めていた人たちがそこにはたくさんいて、ほとんどの人がこの地域に住んでいる人だったので、本当にメンバー同士の距離が近く、アットホームな環境が出来上がっていました。
これこそ、僕が本当に欲しかった最高の環境と最高の仲間たちでした。
この活気はずっと続いていくだろう。
僕はそう思っていました。
しかし、最悪のニュースは突然やってきました。
いとう羽衣店、閉店。
後で聞いたら、建物の老朽化などのやむをえない事情で閉店となってしまったようでした。(22年とかやってたそうです)
最終営業日は、平日にもかかわらずたくさんの人で賑わいました。みんなで思い出話をしながらたくさん遊びました。
本当に、いい思い出をたくさんありがとう。
それから2年ほど経った今ではグループ参加者が37人、会話に参加する人が約30人、お店に定期的に来る人が約24人です。お店の大会には常時10人程度が集まります。今では、立川のイエローサブマリンにみんなでよく行っています。
いとう羽衣店の閉店をきっかけに、あまり遊ばなくなってしまった仲間も何人か出てしまいましたが、民族大移動をきっかけに、さらにたくさんの仲間が増えました。本当に嬉しい限りです。
今回いとうの頃のことを思い返して書いていて、懐かしくなりました。
この頃の自分があったから、今の自分があるなぁと思います。何より、こんな自分といつも遊んでくれる仲間たちには感謝してもしきれません。見てるかわからないけど、みんないつもありがとう。これからも遊んでやってください。
まとめ
今ではtwitterばっかりやっている僕ですが、最初はそんな感じではありませんでした。
今ですら、たくさんのフォロワーが全国にいてイベントを開催すればたくさん人が来る!というわけではありません。特別なことをしたわけではありませんし、特別なものは何一つ持ち合わせてはいません。
でも、いろんな人たちの支えがあって、こうして楽しくマジックを遊んでいます。
そんな僕が言えることは2つだけで、
自分の心がけと気づきで、たくさんの仲間に出会うことができる
ということと、
やっぱり仲間はいいもんですよ
ということです。
今は1人だけで遊んでいるという人も、 今回の記事を読んで、コミュニティを自分で作ってみようと思っていただけたら嬉しいです。
もしもいいコミュニティができたら、遊びに行くので呼んでください。いけそうな場所なら遊びに行きます^^